vol.11 沖縄の歴史と関係の深い「黒潮」とは、なんでしょう?(1)
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太陽であたためられた海水による地球規模の大環流
先島諸島、沖縄諸島の西側の海の中を、「黒潮」という海流が北上しています。黒潮は、まるで海の中を走る大河のような急流です。黒潮の流れているところは青黒い大きな川が海を切って走っているようにみえます。黒潮とよばれるわけは、あまりにも早い流れのため水中のゴミが少なく、すきとおって澄んでいるためにほとんどの太陽の光が吸い込まれ、波長の短い青い色だけが表面に散乱するためだからです。さらに、黒潮の流れは、あまりにもおしだす水力が強いために周囲の海面より一メートルも、もりあがっています。この黒潮の流れは、三万年も前から現在まで、南太平洋や東南アジア、中国などの外国と沖縄とをむすびつけてきました。島崎藤村の「名も知らぬ遠き島より流れよる、ヤシの実ひとつ・・・」の詩は、黒潮によって各地域がつながっていることをよくあらわしています。古くから琉球王国の船は、この黒潮の力を利用して外の国々と往来をしていました。
黒潮の流れの中には、マグロ、カツオ、ブリ、イワシ、タマン、トビウオ、ウナギ、ウミガメ、クジラなどが休みなく回流しています。この魚たちは、黒潮の流れる沿岸の人たちの大事な食料となってきました。
私たちが黒潮と呼んでいるのは、台湾の北方から琉球列島にそって宮城県までつづく流れです。しかし、黒潮は一周、約四万キロメートルの北太平洋暖流とよばれる地球規模の大環流の一部分なのです。黒潮の源流が生まれるところは、北赤道帯という南太平洋地域です。太陽の直射日光であたためられた海水が温水帯となり、地球の自転と偏西風のために真西へと動きはじめます。南太平洋から流れてフィリピン群島へぶつかった温水帯は、台湾とフィリピンのあいだを抜けて中国大陸へあたり、与那国島へとまがってきます。もう一方の流れは、台湾と与那国島のあいだを走りぬけて中国からきた流れと合流します。ここからはじまる流れを日本では黒潮とよんでいるのです。約二四〇〇キロメートルにおよぶ黒潮も、北太平洋暖流の十六分の一の長さでしかありません。 |
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